1995年8月21日
第77回
全国高等学校野球選手権大会
決勝──
参加4098校の
頂点を懸けた死闘は…
いよいよ決着の時を
迎えようとしていました。。
星稜 100 010 113
旭実 100 000 002
6点差で迎えた、、
9回ウラ
旭川実業の攻撃は…
土壇場二死からの
“ミラクル”猛反撃!!
2点を返し
なお二死満塁!!
打席に向かうは・・・
「5番 ピッチャー 角井⤴︎クン」
77回目の夏
今大会最大音量!!
地鳴りのような
大歓声が沸き起こる
阪神甲子園球場!!
さらには・・・
「カクイ!カクイ!カクイ!」
なんと!!
この試合2度目の!!
カクイコール((((;゚Д゚)))))))
その時、、
星稜アルプスからも…
「ショーゴ!ショーゴ!ショーゴ!」
大音量の省吾コールを
涙ながらに絶叫する
女生徒も多数…(;ω;)
共に満身創痍の背番号1
マウンドに
星稜高校エース
2年生左腕山本省吾
右打席に
旭川実業エース
声を張る3年生角井修
まさに夏のクライマックス!!
その初球──
な、な、なんと!!!
一塁方向へ
プッシュバント?!?!
まさかの二死からの奇襲に
省吾クンのベースカバー
一歩遅れてしまった…
角井クン決死のヘッスラ!!!
「セェーーーーフ!!!」
座り込んだまま
角井クンしてやったりの表情で
渾身のガッツポーズ☆
愛すべき旭実のエースは
どこまでも強気だー(>_<)
ただ、やはり右肩が痛むか?!
一瞬かばう姿も見られ…
同じく省吾クンの様子も
やはりおかしい…
カバーの遅れは
故障の影響か??
4対7
3点差──
肩で息をする
マウンドの山本省吾。。
眼光こそ鋭いものの…
もう、ストライクが入らない…
制球力抜群の
黄金左腕が・・・
「ボール!!ファー!!」
なんと、、
ストレートのファーボール。
このイニング
2度目の押し出し!!
打席の岸部主将
ベンチに向かって
満面の笑みでガッツポーズ♪
5対7
遂に、遂に遂に…
2点差──
騒然!星稜サイド!!
星稜高校には
同じく2年生の好右腕
レフト長津クンも控え…
経験値も非常に高いのだが…
漢・山下智茂監督
エース山本省吾と心中か?!
令和の時代には、、
叩かれてしまう
選手起用かもしれない。
いや、きっと…
バッシング受けるでしょう。
ただ、この時代には
この時代の美学が…
監督と選手の間にしか見えない
男と男の絆がきっと
存在していたかと思います。
星稜高校エース
山本省吾続投──
その意図として
心中と共にあるのが…
続く、7番山崎クン
旭実スタメン唯一の左打者は…
この日省吾クンに全く
タイミングが合ってませんでした。
「2点差、2死満塁、打つだけだ…」
そう言い聞かせ…
ポケットの他界された
お母さんの写真を・・・
鹿児島商戦以上に
強く、強く握りしめて
打席に立った山崎クン!!
「あとひとり!あとひとり!」
星稜アルプスから…
石川県から…
北陸から…
響き渡る、
あとひとりコール
初球──
外いっぱい!
キレッキレストレート
山崎クン
手が出ないか…
ワンストライク!!
どこにこんな力が…
星稜山下監督の目に涙。
2球目──
外スライダー
山崎クン全くタイミング合わず
空振りで追い込まれ…
まさに、絶体絶命
遂に、遂に遂に崖っぷち
北北海道旭川実業。。
この時、甲子園球場全体から…
「あと一球!あと一球!あと一球!」
視聴率が90%を超えた
石川県からも絶叫にも似た
あと一球コールが・・・
時を同じくして
視聴率90%超え北海道民は…
札幌駅で、4プラ前で、
そして各家庭テレビの前で…
涙を浮かべ祈る事しか出来ない(T-T)
ただ、ベンチに目を向けると…
そんな状況でも
旭川実業ナインは。。
笑顔!笑顔!笑顔!笑顔!
ベンチが!スタンドが!
一塁ランナー
岸部キャプテンが!
二塁ランナー
エース角井クンが!
三塁ランナー
主砲岡田クンが!
み〜んな満面の笑顔♬
スゲェな…
本当に凄いよ
このチーム。。
ネクストの稲葉クンの
引きつった笑顔には…
山崎クンも
思わず笑顔(^-^)
そして、込山監督は
強く、頷き・・・
山崎クンも
強く、頷いた。
夏の終わりが
もうすぐそこまで
近づいてきました。